アーティストインタビュー 加藤まり

今回は2023年8月11日にともてらす早良にて開催の小学生向けWS「きらきら星空ワークショップ」、そして8月12日~13日にsomegokoroのアトリエにて開催される加藤まり個展「合言葉は『ただいま』で」を記念し、加藤まりのインタビューを行いました。アーティストの大学時代から現在までの心境の変化、創作のテーマなどについて触れています。
話し手:加藤まり/聞き手:石田聖也

ー現在は就職し、以前とは環境が変わったと思いますが、自己紹介をお願いします。

加藤 加藤まりです。現在は関西の印刷会社で働きながら、絵を描いてます。 

ーどんな絵を描いているんですか? 

加藤 余白や想像力や記憶といった物をテーマや軸に、日々感じたことをシチュエーションやファンタジック、ポップに描いています。 

ー以前はそめごころで演劇関連の俳優や宣伝美術をやってもらっていましたが、そこから大阪の芸術系大学に行き、本格的に絵の勉強を行っていきましたね。 福岡で演劇をやりつつ、絵を学びに行くまでの心境の変化などをせっかくなので聞いてみたいです。 


加藤 小さい頃から絵を描くのが好きで、絵に携わる仕事に就きたいと考えていたのですが、中学・高校と時間を過ごすうちにお芝居にも興味を寄せるようになりました。いろいろな物に興味がわいていた時期ですね。 高校からの進学のタイミングで、絵の専門学校に行きたかったのですが諸々あって福岡大学に入学することになりました。 大学で演劇をはじめ、そめごころにも入り活動は行っていたのですが、自分的には停滞のを感じ、どこにも行けないような心境になっていきました。そこで改めて自分が本当にやりたいことは何なのだろうか?と、考えたときに「やっぱり何かを表現して生きていきたい」「その表現の方法としてやっぱり絵を描いていきたい」と自分で再認識しました。 そこで改めて一からやり直そうと思い、大阪の大学へと学びに行きました。

ーなるほど。その停滞時期を経て、決意して学びに行った大阪での4年間はどういった日々になりましたか? 


加藤 この4年間は個人的には好きなことをやれて幸福な時間を過ごせました。本当にやりたいと思っていたことをやれたので。 ただ親だったり、今まで自分と深くかかわってきてくれた人などに対する罪悪感の様なものも感じていました。 

劇場展示室2021「station」~都市から旅する想像力~ 展示風景

ーやりたいことをやれて幸せだけど、罪悪感を感じつつ表現活動してきた4年間だったとの事でしたが、先ほど伺った「余白」や「想像力」、「記憶」といった表現コンセプトは、その福岡時代の葛藤からの決意などの心境の変化に関わるものなのですか? 

加藤 うーん…、そこに関してはあまり関係ないかもしれないです。 

ーではそういった表現コンセプトはどこから生まれてきているものなのでしょうか? 


加藤 大阪の大学での4年間で培ってきたものが大きいですね。 「余白」は私の絵を見た瞬間に感じてほしいことで、「想像力」はお客さんが絵を見たときに感じるもの、「記憶」は私自身が持っているものを出力していくといった、これらの要素を合わせて私は絵を描いていっています。 伝わってますかね?大丈夫ですか? 

ー大丈夫だと思います。 創作するときのモチーフやテーマとして必要というより、本質的に作品を作る・それを見てもらうといったもの。絵という営みを言語化した際に生まれてきたのが「余白」「想像力」「記憶」といったものだったという解釈で大丈夫ですか?


加藤 そうですね。私が絵を描くときに大切にしている事っていう感じですね。

ーこれは大学で知り合った他の表現者たちとの関わりの中で生まれてきた感じですか?そういった横のつながり見たいのはありますか? 


加藤 そうですね。めちゃくちゃ話してきました。 

ーそういった交流の中で表現の方法とかも、内面的な心境の変化などで今後も変わってくるのではと思いますが、 学生時代の作品と、就職してからの作品、今回の個展などで変わってきたものはありますか? 


加藤 今回の個展は昔作った作品などもあり、過去の作品でも個展のテーマや並べ方などで同じ作品でも違った顔を見せてくれると思います。作った本人としても、作った時から時間がたってから見たときに感じ方も変わってくるものなので、昔描いたものも今描いたものも変化はあると思っています。 

劇場展示室2021「station」~都市から旅する想像力~ ライブペイント

ー今回の個展のタイトルは「合言葉は『ただいま』で」ですが、僕は再会や関係性の様なものを感じます。もう一度出会いなおすという事や関係しなおすといった事が大事になってくるのかなと思うのですが、来てくれたお客さんとどういった関係を結んでいきたいと考えていますか? 


加藤 私は絵を販売しているので、私の絵を気に入ってくれて買ってくれるといったお客さんとの関係性はもちろんあります。ですが、どちらかというと私は私の絵を見て、その絵を通して私を見て欲しいと思っています。そういった意味でお客さんとの関係性を持ちたいとはずっと考えています。 新規のお客さんでも、リピーターのお客さんでも、昔からの知り合いでも、新しく「初めまして」ができるといいなと思っています。 

ーすごく良いなと感じます。作品を通して、どういったことを感じているかを考えることができるアーティストが僕個人としては良いなと思っていて、先ほどの「初めまして」の関係を作っていくのも素敵だと思います。加藤さんとこうやって真面目な話をする機会はあまりなかったですが、今回の個展で作品を鑑賞させてもらいながら、今の「加藤まり」といった人間がどういった人間で、どういった物を感じているのかなどを、絵を通して実感を得られるといいなと思います。 

劇場展示室2022「dot.」ライブペイント

ー最後に個展を見に来られる方にメッセージをお願いいたします。 


加藤 いっぱい「初めまして」をしましょう!個展見に来てください! 

ーありがとうございました。また何かの機会に話を聞かせてください。 


加藤 ありがとうございました。


加藤まり プロフィール

1994年生
生まれは熊本、育ちは福岡。
2015 年にそめごころ加入。
以降、そめごころのフライヤーを担当し、スタッフ面で団体を支えた。
普段はアーティストとして活動し、余白、記憶、想像力を軸にしている。
余白は、視覚的なアプローチ。
記憶は、制作者の中にある懐かしいもの、あるいは大切にしたいもの。
想像力は、お客さんが作品を見て想像したこと。
ポートフォリオ:https://londonactor13.wixsite.com/mysite

加藤まり個展「合言葉は『ただいま』で」

詳細http://somegokoro.com/2023/07/17/tadaima/